近視について
近視とは、角膜から網膜までの距離が長いことや、角膜や水晶体の屈折率が変化してしまうことが原因で、本来焦点を結ぶべき位置である網膜上ではなく、それよりも手前でピントが合ってしまっている状態で、屈折異常のひとつです。
原因については、遺伝要因と環境要因の2つが関係していると考えられています。
遺伝要因としては、父親と母親が近視である場合は、近視でない場合に比べて近視になりやすいと言われています。
環境要因には、スマートフォンや携帯型ゲーム機の使用、デスクワークなどの近方作業を長時間行うなどがあります。
近視は眼鏡やコンタクトレンズによって矯正することで物を見ることができるようになりますが、その周辺ではズレが生じます。
これを補おうと眼軸長(眼球)が伸びることで近視は進行するとも言われています。
そのため、眼鏡やコンタクトレンズを装用している方は定期的に眼科で検査を受けることも大切です。
近視進行抑制点眼とは
当院では近視の進行抑制に効果が期待できる「マイオピン」「リジュセアミニ」による治療を行っています。
なお、同治療につきましては、健康保険や医療費助成度の適用外となります。
マイオピンについて
マイオピンとは、アトロピンという近視進行抑制効果があるとされている成分が0.01%配合された点眼薬です。
アトロピンの点眼薬というものには、もともと1%含まれた点眼薬が使用されてきましたが、瞳孔が開いたままになるため、まぶしく感じる、目の不快感や痛み 等がみられやすいことから、多くの医療機関で処方することが控えられてきました。
その後、0.01%の含有でも近視症状の進行が軽減される効果が確認され、副作用もある程度抑えることができるため、0.01%低濃度アトロピン点眼療(マイオピン)が開発されました。なお同薬を近視治療で採用している医療機関は増えてきています。
- 料金
- 3,500円(税込)
リジュセアミニについて
「リジュセア ミニ点眼液0.025%」は、眼球前後の長さが伸びるのを抑えることで、近視の進行を抑制することが期待できる点眼液です。マイピオンと比較して、リジュセアミニの方がアトロピンの濃度が高く、より近視進行抑制効果が期待できると言われています。
リジュセアミニの使い方は、1回1滴、1日1回就寝前に点眼します。毎日続けて点眼することで、近視の進行を抑制することが期待できます。
治療は近視の進行が安定化する10代後半まで続けることが望ましいです。点眼期間中および中止後は、定期的に眼科を受診して検査(屈折検査、眼軸長さの測定など)を受けてください。
点眼中止後に近視の進行が早まる可能性がありますので、自己判断で点眼を中断するのはやめましょう。治療が終了した後も、近視が進んでいないことを確認するために定期的にご受診ください。
- 料金
- 4,400円(税込)
リジュセアミニの注意点
点眼後に次の症状があらわれたときは、医師または薬剤師にご相談ください。
- まぶしく感じる
- かすんで見える
- 点眼後、まぶしく見えたり、一時的に目がかすんだりすることがありますので、必ず就寝前に点眼するようにしてください。就寝前に点眼しても、翌日までまぶしく見えることがあります。
- まぶしさや目のかすむ症状が回復するまでは落下の恐れのある遊具の使用、屋外のクラブ活動や球技等のスポーツ、自転車や自動車等の運転、機械の操作等は行わないでください。また、必要に応じてサングラスをかけるなど、太陽の光や強い光を直接見ないようにしてください。
- 1回に2滴点眼したり、1日に2回点眼したりしてはいけません。点眼し忘れに気づいた場合には、忘れた分は点眼せず、次の就寝前に1回1滴を点眼してください。