近視について
近視とは、角膜から網膜までの距離が長いことや、角膜や水晶体の屈折率が変化してしまうことが原因で、本来焦点を結ぶべき位置である網膜上ではなく、それよりも手前でピントが合ってしまっている状態で、屈折異常のひとつです。
原因については、遺伝要因と環境要因の2つが関係していると考えられています。
遺伝要因としては、父親と母親が近視である場合は、近視でない場合に比べて近視になりやすいと言われています。
環境要因には、スマートフォンや携帯型ゲーム機の使用、デスクワークなどの近方作業を長時間行うなどがあります。
近視は眼鏡やコンタクトレンズによって矯正することで物を見ることができるようになりますが、その周辺ではズレが生じます。
これを補おうと眼軸長(眼球)が伸びることで近視は進行するとも言われています。
そのため、眼鏡やコンタクトレンズを装用している方は定期的に眼科で検査を受けることも大切です。
近視進行抑制点眼とは
当院では近視の進行抑制に効果が期待できる「マイオピン」「リジュセアミニ」による治療を行っています。
なお、同治療につきましては、健康保険や医療費助成度の適用外となります。
当院の点眼による近視進行抑制治療について
近視進行抑制治療は、近視の進行が速い小児期に開始することが多い治療です。
当院では、治療開始後の効果を適切に評価するため、3か月〜6か月程度を目安に、視力・屈折・眼軸長などの検査をおすすめしています。
リジュセア点眼、マイオピン点眼には近視の進行を抑える効果がありますが、その効果には個人差があります。
点眼治療を行っていても近視や眼軸長の伸びが続く場合には、オルソケラトロジーなど他の近視進行抑制治療との併用を早めに検討することがあります。
一方で、近視の進行が安定しており、特に問題がない場合には、患者さまの費用負担も考慮し、ご相談のうえ検査の間隔を延ばし、最長1年程度で経過を確認することも可能です。
リジュセア点眼には「選定療養」という制度がありますが、保険診療として行える眼科学的検査には回数等の制限があります。
当院では、制度上の検査回数に診療間隔を合わせるのではなく、お子さま一人ひとりの年齢や近視の進行速度に応じて、必要な時期に検査・診察を行えることを重視し、近視進行抑制治療を自由診療として行っています。
また、当院ではオルソケラトロジーとリジュセア点眼、マイオピン点眼を併用する患者さまも多いため、近視進行抑制治療について分かりやすく一貫した診療体系としています。
※近視進行抑制治療とは別の眼疾患については、通常の保険診療を行います。
マイオピンについて
マイオピンとは、アトロピンという近視進行抑制効果があるとされている成分が0.01%配合された点眼薬です。
アトロピンの点眼薬というものには、もともと1%含まれた点眼薬が使用されてきましたが、瞳孔が開いたままになるため、まぶしく感じる、目の不快感や痛み 等がみられやすいことから、多くの医療機関で処方することが控えられてきました。
その後、0.01%の含有でも近視症状の進行が軽減される効果が確認され、副作用もある程度抑えることができるため、0.01%低濃度アトロピン点眼療(マイオピン)が開発されました。なお同薬を近視治療で採用している医療機関は増えてきています。
- 初回相談料について
- 3,000円(税込)
- 低濃度アトロピン点眼療法
(マイオピン) - 4,000円(税込)
※同日に2つ以上の近視抑制治療の相談及び説明をする際は7,000円(税込)となります。
リジュセアミニについて
「リジュセア ミニ点眼液0.025%」は、眼球前後の長さが伸びるのを抑えることで、近視の進行を抑制することが期待できる点眼液です。マイピオンと比較して、リジュセアミニの方がアトロピンの濃度が高く、より近視進行抑制効果が期待できると言われています。
リジュセアミニの使い方は、1回1滴、1日1回就寝前に点眼します。毎日続けて点眼することで、近視の進行を抑制することが期待できます。
治療は近視の進行が安定化する10代後半まで続けることが望ましいです。点眼期間中および中止後は、定期的に眼科を受診して検査(屈折検査、眼軸長さの測定など)を受けてください。
点眼中止後に近視の進行が早まる可能性がありますので、自己判断で点眼を中断するのはやめましょう。治療が終了した後も、近視が進んでいないことを確認するために定期的にご受診ください。
- 初回相談料
- 3,000円(税込)
- リジュセア ミニ点眼液0.025%
- 4,400円(税込)
※同日に2つ以上の近視抑制治療の相談及び説明をする際は7,000円(税込)となります。
リジュセアミニの注意点
点眼後に次の症状があらわれたときは、医師または薬剤師にご相談ください。
- まぶしく感じる
- かすんで見える
- 点眼後、まぶしく見えたり、一時的に目がかすんだりすることがありますので、必ず就寝前に点眼するようにしてください。就寝前に点眼しても、翌日までまぶしく見えることがあります。
- まぶしさや目のかすむ症状が回復するまでは落下の恐れのある遊具の使用、屋外のクラブ活動や球技等のスポーツ、自転車や自動車等の運転、機械の操作等は行わないでください。また、必要に応じてサングラスをかけるなど、太陽の光や強い光を直接見ないようにしてください。
- 1回に2滴点眼したり、1日に2回点眼したりしてはいけません。点眼し忘れに気づいた場合には、忘れた分は点眼せず、次の就寝前に1回1滴を点眼してください。
眼軸長測定について
当院では近視抑制治療の効果判定における眼軸長測定は6カ月毎に行わせていただきます。
それ以上の頻度で測定をご希望の際はお声掛けください。
1回/2,200円(税込)の追加費用がかかります。
マイオピン点眼0.01%とリジュセア点眼0.025%の違いについて
当院では、お子さまの近視の進行を抑えることを目的として、低濃度アトロピン点眼による治療を行っています。
現在、主に使用している点眼薬には「リジュセアミニ点眼液0.025%」と「マイオピン点眼液0.01%」があります。
リジュセアミニ点眼液0.025%
リジュセア点眼は、日本で「近視の進行抑制」を目的として承認された点眼薬です。
マイオピン点眼0.01%よりアトロピン濃度が高く、近視の進行、特に眼軸長の伸びを抑える効果がより期待できます。
一方で、瞳孔がやや開くことにより、- まぶしく感じる
- 光をまぶしがる
- 近くが見づらく感じる
などの症状がみられることがあります。
多くの場合は継続可能ですが、症状が強い場合には治療方法を調整します。マイオピン点眼液0.01%
マイオピン点眼液0.01%も低濃度アトロピンを使用した近視進行抑制治療です。
リジュセアミニ点眼液0.025%より濃度が低いため、一般的にまぶしさや瞳孔への影響が少ないという特徴があります。
その一方で、近視の進行、特に眼軸長の伸びを抑える効果は、リジュセア点眼0.025%より弱い可能性があります。
また、リジュセア点眼とは異なり、日本国内で近視進行抑制薬として承認された医薬品ではありません。
当院での治療方針
基本的には、国内で承認されているリジュセア点眼0.025%を第一選択としてご提案します。
ただし、リジュセア点眼でまぶしさなどの症状が強く、継続が難しい場合には、十分にご説明したうえでマイオピン点眼0.01%への変更を検討することがあります。
近視の進行速度や点眼薬の効果には個人差があります。
そのため当院では、視力や近視度数だけでなく、眼球の前後方向の長さである「眼軸長」を定期的に測定し、治療効果を確認します。
点眼治療を行っていても近視の進行が速い場合には、オルソケラトロジーなど他の近視進行抑制治療との併用についてもご相談します。
お子さま一人ひとりの年齢、近視の進行速度、生活環境、副作用などを確認しながら、無理なく継続できる治療方法を一緒に検討していきます。